オランゲーナのくさくさブログ2

アニメの話や声優さんの話をする予定です!

「ラブライブ劇場版は別にラブライブに思い入れが無い人が見ても面白い映画だよ」説

 ラブライブ1期2期と見てから劇場版見たお前が言っても説得力ないだろ、って話。

 劇場版ラブライブの感想で「ラブライブのコンテンツ全体を知ってないと面白くないだろうが」みたいな前置きをよく見るけど、「いや、普通に映画(映像)として面白いっしょ」って主張したくなったのでブログ書きます。まあ、僕はアニメから入った新参なのでこういう主張をしていくことで、ちょっと存在感を出してみたりしたいっすね。

 

 

◇導入としてキャッチ―で分かりやすい空港シーン

 冒頭の穂乃果過去シーン、そして部室で軽いドームライブについての説明をしつつシームレスに空港のシーンに移動(タイトルが表示されるのここじゃないよね?)。

 ここでは数秒ずつパートが割り当てられるように各メンバーの様子が紹介されるけど、これがキャラクター紹介として優秀。最初に示される「心配する海未にゆったり構えることり」という二人の関係性。興味津々になんにでも突っ走る凛ちゃんに振り回される花陽。カードに頼りつつも未来(全体)を見通す希。金持ちっぽさと幼さを同時に出してくる西木野。穂乃果がいないのをやけに心配する絵里。そして、にっこにっこにーな矢澤家。ついでに、やけに仲が良い雪穂と亜里沙もバッチリ入れてくる。

 絵里が「そういえば穂乃果は?」と言う部分が印象的なように、こういう時は大体穂乃果はどこかに行っていて、その場所いないことが多い。2期1話でも見られたけど、こうやってどこにいるのか分からないことが一番、高坂穂乃果がどういう人間かを一発で示してくれている……はず。劇場版では穂乃果は一人空港の外にいてまだ見ぬ海外で自分たちが体験するであろうワクワクに思いを馳せる。落ち着きがなくてすぐどこかに行ってしまい、他の人とは違う風景を見ている。高坂穂乃果の魅力がそこに詰まっているんですよね……。

 

 

◇「この町は少しアキバに似ている」のラブライブらしさ

 僕は劇場版一回目の視聴で凛ちゃんが「この町は少しアキバに似ているんだよ」と言い出した時、「そうそうこれこれ、これがラブライブ」と心の中でガッツポーズしてました。どんな場所でもμ’sらしく、自分たちらしくいられる、ってのは実に彼女たちらしい展開。だけど、じゃあ行く場所はどこでもよかったのかって言うと、やっぱりニューヨークである意味(一応作中内では明言してないけど明らかにニューヨークだから、もう断言するね)はあったと思うわけで。

 ニューヨークは移民を受け入れることで発展してきた歴史があって、さらに現在進行中で様々な人種の人が流入している街だ。ラブライブの声優陣も半分はもともと声優じゃなかった(目指していなかった)人たちで構成されていて、実際アニメ化以降もともとアニメが好きじゃなかった人たちにもウケてヒットを重ねている。そんなラブライブの辿ってきた道筋を短い時間で分かってもらうのはとても難しいことだが、ここでニューヨークの街が持つ文脈を話に組み込むことで比喩的に説明を省略することができる。外からいろんなものを取り込んで、どんどん化学反応が起きていくラブライブの魅力を短時間で伝えることを可能としている(?)のだ。

 そんなニューヨークの街で、過剰にエキゾチックとも言える衣装でAngelic Angelを踊る。これこそが“ラブライブ”なのだ。

 

 

◇道理や常識を跳ね返す高坂穂乃果という女

 個人的にアニメ版ラブライブの特徴は、一話一話で「エクスキューズが問われ、それに対するアンサーを出す」ことを繰り返すことだと思ってる。まあ、大体の話でアンサーを出す(きっかけ)のは穂乃果なんだけれども、その穂乃果のアンサーの出し方が僕の好みなワケで。劇場版でも、「μ’sはこれでおしまいにする」という意志と「ラブライブドーム大会が実現する」という願望はどちらかしか選べないと彼女たちは途中まで思い込んでいたし、僕らもそう思っていた。でも、そこで高坂穂乃果は両方を選ぼうとする。それが彼女の一番の魅力なのだ。そして高坂穂乃果が凡百の理想化と違うところはそれを具体的な行動に移すところだ。劇場版でも「全国のスクールアイドルが一斉に集うライブを行う」という途方もないアイデアを、自分たちの脚で参加者を集め自分たちで会場も曲を作り上げた。口だけでなく体を動かす、行動する、そのエネルギーに賛美を送りたい。そんな、アニメ1期からずっと示され続けている高坂穂乃果の魅力は、劇場版でも変わらず、分かりやすく表現されていたのではないだろうか。

 

 

・まとめ

 途中で自分でも書きながら「これって本当にラブライブを知らない人が劇場版を見ても面白いことの証明になっているのか……」と自問自答したが、まあ、自分が思うラブライブの好きなところの10パーセントでも書けたと思うし、それは別に分かり辛いものでもなんでもなくて、ストレートに心に飛び込んでくるものなのだと思う。

 自分の好きな作品に対して、変に選民意識を持ち考えが凝り固まってしまわないように、いつだって新鮮な気持ちを持ち続けていられるようにしたいっすね。